秋の炊き込みご飯2種

講師:南麻布「分とく山」総料理長・野崎洋光さん

炊き込みご飯について

基本の方程式は2つあります。 ひとつは味つけの基本です。水10:醤油1:酒1の割合が味つけの基本になります。炊き込みに使う具材によって多少の増減はありますが、 この割合で調味すれば失敗することはありません。 もうひとつの大事な方程式は、具材によって炊き込むタイミングがそれぞれ違うということです。それは次の4つの調理法に大別できます。

炊飯を始めると同時に具材を入れて炊き込む。
炊飯の途中で具材を加える。
炊飯が終わり、むらしに入る前に具材を加える。
具材を別に煮て、その煮汁を炊飯に使い、むらし段階で具材を加え混ぜ合わせて味をなじませる。

の場合は、グリンピースやジャガイモなど始めから加えると炊き上がったとき、具材にもきちんと火が通ります。
の場合ですが、魚介類などの具材をこの方法で炊き込みます。始めから加えると火が通りすぎて身が固くなってしまいます。
は蒸らすときに加えれば充分なしらすや、じゃこなどの具材の場合です。
は今回お教えする「きのこの炊き込みご飯」はこの方法をとります。具材をあらかじめ煮て、その煮汁で炊くわけですからご飯に充分味がしみこみ、失敗のない炊き込みご飯ができます。

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きのこの炊き込みご飯

【材料】
  • 金芽米・・・2.5合
  • もち米・・・0.5合

  • 《a》
  •  水・・・550cc
  •  薄口醤油・・・50cc
  •  酒・・・50cc

  • 椎茸・・・1パック
  • しめじ・・・1パック
  • えのき茸・・・1パック
  • 舞茸・・・1パック
  • 黄柚子・・・1/2個
【作り方】
  1. もち米を軽く洗い、金芽米とともに15分ほど水につけた後、ザルにあげて15分おく。
  2. 椎茸は軸を切り落として小口切りにする。しめじ、舞茸は石づきを取り、1本ずつほぐす。えのき茸は、根元を落とし、2cmぐらいに切り、ほぐしておく。
  3. 鍋にたっぷりの湯を沸かし、をザルに入れて30秒ほどつけて引き上げ、湯霜してアク抜きをする。
  4. 鍋に《a》を入れのきのこを加えてひと煮立ちさせる。
  5. のきのこをザルに取り出し、その煮汁を取りおく。
  6. 炊飯器にの米との煮汁を入れ、早炊きスイッチを入れる。蒸気が出て米肌が見えるくらいになったらフタを開け、のきのこを入れて炊きあげる。
  7. 炊きあがったらせん切りの柚子の皮を散らす。

野崎さんからのワンポイント

「きのこの炊き込みご飯」はだしは使いませんが、煮汁を使って炊きます。きのこの旨みを存分に引き出すと本当においしい炊き込みご飯になります。松茸でなくとも香りのよいきのこを数種類使って炊き込むと、この季節ならではのご飯料理になりますので、是非マスターしてください。 今回の炊き込みご飯では、もち米を使っていますが、もちろん全部金芽米で炊いてもおいしく炊き上がります。もち米を加えるともっちりした食感が残りますが、逆にやわらかめに仕上る場合もあります。おこわを炊くときに水から炊かずに蒸すのは、もち米は水で炊くと水っぽくなるからなのです。お好みの炊き加減は、各ご家庭で食べなれているご飯のかたさがあると思いますので水加減で調整してみてください。

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かきの炊き込みご飯

【材料】
  • かき・・・16個
  • 金芽米・・・2.5合
  • もち米・・・0.5合

  • 《a》
  •  水・・・550cc
  •  薄口醤油・・・50cc
  •  酒・・・50cc

  • 生海苔・・・45g
  • 生姜・・・1片
【作り方】
  1. もち米を軽く洗い、金芽米とともに15分ほど水につけた後、ザルにあげて15分おく。
  2. かきは熱湯で霜降りし、水気をきっておく。
  3. 炊飯器にの米と《a》を入れ、早炊スイッチを入れる。蒸気が出始めて米肌が見えるくらいになったらフタを開け、のかきを入れ炊きあげる。
  4. 仕上げに生海苔とせん切り生姜を加え、全体をよく混ぜ合わせる。

野崎さんからのワンポイント

かきの場合、下処理が大切です。さっと水洗いしたかきを熱湯で霜ふりにします。そのあと水洗いをして洗い流すと、汚れがとり除けます。一般にいわれている大根おろしなどで洗うということは必要ありません。とても簡単なのでこの方法をおすすめします。炊き込みご飯の味つけは、きのこの場合と同じで、水と薄口醤油と酒が10:1:1の割合です。炊飯の途中で米肌が見えるくらいになったら、かきを加えて炊きあげ、仕上げにせん切りの生姜と生海苔を加えて全体をよく混ぜ合わせます。磯の香りと生姜のさわやかな辛みと香りが、かきご飯を引き立てます。

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豆腐とわかめの吸い物

【材料】
  • 豆腐・・・1/2丁
  • わかめ・・・適量
  • みつ葉・・・適量

  • 《a》
  •  だし汁・・・600cc
  •  薄口醤油・・・25cc
  •  酒・・・10cc
【作り方】
  1. 豆腐は1/4の大きさに切る。わかめは、一口大の大きさに切っておく。
  2. 《a》を鍋に入れひと煮立ちしたらの豆腐とわかめを入れ、火が通ったら椀に盛りつける。
  3. 適当な大きさに切ったみつ葉を散らす。

野崎さんからのワンポイント

私がおすすめしている抽出してだしを取る方法で作るお吸い物です。だし汁を作りおきしておくと簡単においしいお吸い物ができますよ。ここで加える調味料の割合を覚えておいてください。だし汁の1/25が薄口醤油でその約半分の分量の酒を加えます。うどんのつゆにはだし汁の1/20の薄口醤油で酒はその半分。またそばのつゆにはだし汁の1/15の醤油とその半分の酒を加えます。その割合を頭に入れておけば、いろんな料理に応用できます。 「お吸い物」の具は何でもよいのですが、料理屋でいう「吸い口」という香りのものを仕上げに添えるととても上品なお椀になります。季節感の感じられる春なら木の芽、秋・冬なら柚子といった香りのものやみつ葉や白髪ねぎや大葉といったものでもよいでしょう。

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だしの取り方

【材料】
  • 水・・・1リットル
  • 削り節・・・10g
  • 昆布・・・4cm×4cm
【作り方】
  1. 鍋に水と昆布を入れ火にかける。60度〜70度(指先を2〜3秒入れられる温度)で5〜10分おいてから90度に温度を上げ、火からおろす。
  2. 90度の昆布湯の中に削り節を入れ、そのまま1分おきアクをすくってからこす。

野崎さんからのワンポイント

昆布は、煮立つ直前に引き上げるといいますが、よい本物の昆布なら、そのままでもよいだしがとれます。また、削り節は煮立たせればよいだしがとれるとは限りません。温度を80〜90度に保ってだしの成分を抽出するとよい味のだしが取れます。100度でグツグツ煮立てると、苦みや渋みが出ます。やや低めの温度で抽出すると雑味のないすっきりしただしが取れます。

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