「自分の仕事が社会のためになっている」社会を支えているという実感が面白さの基本。自負心というか誇りというか、それが一番大事。
- どういう人材に入社してほしいですか?
- いまの若い人って、休みが多くほしいとか、残業をやりたくないって言うでしょ。これは当たり前だと思うんですよ。時代が違うから。
けれど、「そういう気持ちでいたけれど、ついつい仕事にのめり込んでしまって、遊びに行くよりも仕事の方が面白いな」と感じてしまうような人が、技術屋に向いているんじゃないかなあ。私が実際そうやからね(笑)。
私にも人並みに趣味があるんですよ。釣りも好きやし色んなことが好きなんだけれど、やっぱり今の仕事が一番面白い(笑)
- 仕事を一番面白く感じてくれるような人がいいですか?
- そうだけど、最初から「そうなれ!」と言っても絶対になれるもんじゃないし、やっぱり休みは多い方がええし、残業も少ない方がいいでしょ。
仕事っていうのは、そのうちのめり込むようになるものなんですよ。まだ自分の将来も描けていない人間に「仕事優先でやれ!」だとか、そんなことを言っても通じないでしょう。
- 会社に入ってから、自分がのめり込むものを見つけてもらう?
- そうそう。仕事が面白くなったらのめり込むようになる。ウチの会社としても面白みを持てるような仕事が多いと思うし、そこと上手く合えばいいなあ、と思うね。
ただ、私のそれ(新卒)くらいの時の経験を踏まえると、何が面白いと思えるのかとか、将来を見据えて「自分はこの仕事が向いているんだ」って若いうちから把握するのは難しいと思うなあ。
そういうのは、実際に仕事をやってみてだんだんと分かってくるものであって、ヒトによっては最初から見えている人もいるのかもしれないけれど、実際は少ないんじゃないかねえ。
- やっぱり、最初はいろんなことを体験した方がいいですか?
- そうやねえ。しかし、改めてどういう人が欲しいかと言っても……有能な経営者なら言えるのかもしれんけど、私はどうもアカンなあ(笑)。
- では、専攻や学部や学歴も気にしないということですね。
- そうやね。ただ、子どものころから好奇心の強い人間がいいと思うね。
- 最後に、東洋ライスを志す人に向けて、社長からメッセージをお願いします。
- 少なくとも中年になった時点で、仕事に面白みを持ってほしいなあ。
給料を稼ぐためだけに仕事をするというのは惨めだと思うから。せっかくの人生やからね。
人間っていうのは、寝ている間は何もしていないのと同じだし、それ以外に幾らか個人的な時間や、風呂入ったり顔を洗ったりする時間が要るわけで、それ以外の時間は全部仕事になるからね。
その仕事をしたくないという人もいるかもしれないけれど、みんなそうしたら世の中回らんでしょ。
どうせ仕事をするのであれば、生き甲斐というか、楽しみを持ってくれないと気の毒だと思うね。
人生において重要な時期やもん。
自分の人生で脂の乗った年代の殆どを占める時間を、嫌々給料や子供のために働く人生は気の毒だと思う。
- 仕事をもっと楽しんでほしいということですね。
- そうやね。みんなでワイワイ美味しい食事を食べたり、酒を飲んで楽しむのと同じくらい仕事の時間も有意義でないと、もったいないと思うね。
昔、私の同級生に会って話をしたときに、「雜賀、お前は本当に幸せ者やな」と言われたことがあってね。
なんでよと言ったら、「私も若い時期はね、正義や世の為に働かなあかんと思ってたけれど、そんなものは家族が出来たら吹っ飛んでしまうんや。カラスでも白いです!と言わなあかんときがあって、そうでも言わな家族を食わせてやれん」と言うんや。
私は信じられんかったけれど、「雜賀、お前は天真爛漫に生きてるな」と言われたら、まあそら確かにそうよなと。
もちろん、仕事をやっていると辛いこともあるけれど、例えばビールって、やっぱり苦みがあるから旨いんよね。ビールの旨味は苦みがあるさけやと思うんよ。仕事もおんなじやと思うね。
ええ目ばっかりじゃなくて、辛い思いをしてそれをクリアすることに面白みがあると思うね。
あとは、やっぱり「自分の仕事が社会のためになっている」という実感が面白さの基本やね。
社会を支えているんやと。自負心というか誇りというか、それが一番大事になってくるかな。