伝統を受け継ぎ、新たな価値を生み出す 創業64年「総本家めはりや」がつなぐ、めはり寿司の伝統と未来
更新日:2026年09月17日
和歌山県新宮市を中心に、古くから親しまれてきた郷土料理「めはり寿司」。
高菜の漬物でご飯を包んだ素朴な料理ですが、温かいご飯、高菜、タレが一体となった味わいには、長い歴史と、作り手のさまざまな工夫が込められています。
この「めはり寿司」の味を1962年の創業以来、60年以上にわたり守り続けてきた「総本家めはりや」です。同店は今秋、和歌山市内にて新たに3号店をオープンします。
伝統の味を守りながら、新たな場所へと「めはり寿司」の魅力を広げていく今、そのおいしさを支える「ごはん」に注目。めはりやでは、和歌山県産の高菜とともに、めはり寿司のごはんに「金芽米」を使用しています。
なぜ、長年受け継がれてきた郷土料理に金芽米を選んだのか。
新たな一歩を踏み出す「総本家めはりや」を訪ね、取締役の村尾さんにお話を伺いました。
「めはり寿司」を家庭の味から“商品”へ
「総本家めはりや」の創業のきっかけとめはり寿司について教えてください。
めはり寿司は、もともと和歌山や三重で、山仕事や農作業の際のお弁当として食べられていた郷土料理です。
「めはり寿司」という名前で呼ばれていたのは新宮市だけで、昔はソフトボールくらいの大きさがあり、大きな口を開けて食べると目を見張るように見えることから、その名が付いたといわれています。
もともとは新宮市を中心に各家庭で作られていたものですが、「こんなに素晴らしいものがあるのだから、もっと多くの人に食べてもらいたい」と、64年前に祖父母が「めはりや」を創業し、初めて商品化しました。
作り方や素材などにこだわりはあるのですか?
商品として一年を通して同じ味を楽しんでいただけるよう、高菜は浅漬けの状態で発酵を止めて冷凍しています。
昔はそのまま包んでも嚙み切れたのですが、今の高菜は茎が太くなってきていて、そのままでは食べにくいため、茎の部分を刻んでご飯の中に入れています。
食べやすい大きさや今の形にしたのもこの店が最初で、祖父母の代から続く「めはりや」ならではのこだわりです。
和歌山城のそばから、もっと多くの人へ
このたび新店舗をオープンされると伺いました。新店舗出店の経緯や、そこに込めた想いを教えてください。
和歌山市に店を出したのは、和歌山の郷土料理でありながら、県庁所在地である和歌山市でめはり寿司を食べられる場所が少なかったことがきっかけです。
この店も13年目を迎え、最近では満席でお客様をご案内できないことも増えてきました。
また、和歌山城を訪れた観光のお客様が、めはり寿司を食べるためにわざわざ距離が離れた当店まで来てくださることも多くあります。
限られた観光の時間の中で、より気軽にめはり寿司を味わっていただきたいですし、地元の方にも「めはり寿司は和歌山のものなんだ」と、もっと根付かせていきたいという思いから、お客様が足を運びやすい和歌山城の近くへの出店を決めました。
64年間守り続けてきた「味」
めはり寿司を作るうえで、特に大切にされていることは何ですか?
特に大切にしているのは、高菜とご飯、タレの一体感です。高菜は時期によって厚さや食感が違うので、その状態を見ながら巻き方を調整しています。一体感をより味わってもらうためにできるだけ手で食べてもらえるよう包む用の紙も一緒にお出ししています。
また、作り置きをせず、ご注文をいただいてから温かいご飯で握ることにもこだわりを持っていますね。「出来立てでおいしい」と言っていただくことが多いです。「寿司は冷たいもの」というイメージを持っている方も多いので、温かい状態で出てくることに驚かれる方もいらっしゃいます。
お客様からは、めはり寿司についてどのような声がありますか?
また、当店では定番のめはり寿司だけでなく、「天むすのめはり寿司」などのバリエーションもご用意しています。その日の気分や好みに合わせて選んでいただけるので、皆さん「何にしようかな」と楽しみながら悩まれている印象ですね。
金芽米によって生まれる一体感
現在、めはり寿司には「金芽米」をご使用していただいています。金芽米を使い始めたきっかけを教えてください。
金芽米を使い始めたのは、和歌山市の店舗をオープンしたときです。めはり寿司はほとんどがお米なので、「どのお米が一番めはり寿司に合うのか」というのは、とても重要になってきます。
社長がテレビCMをきっかけに金芽米を知り、実際に食べてみて「これはめはり寿司に合う」と感じたそうです。そこで直接お願いに伺い、この店舗で使い始めました。
今では本店を含め、すべての店舗で金芽米を使用しています。
金芽米に変えてから、めはり寿司の味などに変化はありましたか?
かなり変わったと思います。めはり寿司に使う高菜は塩味がしっかりしているので、普通のお米だと高菜の味が前に出やすいのですが、金芽米はお米そのものの甘みやうまみがしっかりしているので、高菜の味に負けません。
また、冷めてもおいしく、もちもち感や粒立ちもしっかりしています。
ご飯、高菜、タレ、それぞれの味を感じながら、どれか一つが突出することなくバランス良くまとまるところが、めはり寿司にとても合っていると思っています。
初めてなら「めはり寿司+豚汁」で!
初めて「総本家めはりや」を訪れる方に、ぜひ食べてもらいたいメニューを教えてください。
もちろん、まずは定番のめはり寿司ですね。そして、ぜひ豚汁と一緒に召し上がっていただきたいですね。
うちの豚汁はにんにくが入っていて、一般的なものとは少し違います。しっかりした味のめはり寿司と相性が良く、豚汁を飲むと、ちょうど良いバランスになるんです。ぜひセットで味わっていただきたいです。
100年続くお店を目指して
60年以上受け継いできためはり寿司を、これからどのように伝えていきたいですか?
「総本家めはりや」は僕で3代目になるのですが、めはり寿司をこれからも残していくためには、ただ「変わらない」のではなく、時代に合わせて変えるべきところは変えていくことが大切だと思っています。
金芽米を取り入れたことや、紙に包んで手で食べやすくしたことも、その一つです。
新しいものを取り入れつつ、昔からの良さは大切にしながら、次の世代へつないでいきたいですね。
また、新店舗や通販などを通して、めはり寿司を知ってもらう入口をもっと増やしていきたいです。めはり寿司をきっかけに、和歌山の食や魅力にも興味を持っていただき、100年以上続く店にしていけたらと思っています。
めはり寿司の魅力を届けるために日々奮闘しています!
和歌山で、受け継がれてきた“本場のめはり寿司”を
64年前、家庭で親しまれていた郷土料理を「もっと多くの人に食べてもらいたい」という想いから始まった「総本家めはりや」。
時代に合わせて大きさを変え、食べ方を工夫し、少しずつ形を変えながらも大切にしてきたおいしさやこだわりは今も変わらず受け継がれています。
そしてこれからも、めはり寿司という和歌山の食文化を大切に受け継ぎながら、新店舗のオープンとともに、その魅力をより多くの方へ届けていきます。
新店舗がオープンした際には、和歌山城観光とあわせて立ち寄り、握りたての温かいめはり寿司を味わってみてはいかがでしょうか。
ぜひ、相性抜群の豚汁と一緒に、「総本家めはりや」ならではの味を楽しんでみてください♪
店舗情報
店舗名:総本家めはりや(そうほんけ めはりや)
住所:〒640-8323 和歌山県和歌山市太田 2-14-9 太田ビル103号
(和歌山駅より徒歩5分)
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