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金芽米の継続摂取による便通改善を「ヒト試験」で実証

東洋ライス株式会社、東京農業大学らの研究チームは、「金芽米」を継続摂取することにより便通が改善したことを長野県松本市と協力のもと行った臨床試験にて確認し、第65回日本栄養改善学会(2018年9月5日)にて発表しました。

近年、米飯中心の日本型の食生活から欧米型の食生活への変化による栄養バランスの変化に伴い、生活習慣病の増加が懸念されています。また、食物繊維摂取量が少ない人では大腸がんリスクが高くなることが分かっています。この要因として欧米型の食事は腸内で発がん物質が出来やすく、さらに便秘状態が続くことでがんが発生しやすくなると言われております。我が国では約4割が便秘の有訴者といわれており、日々の食事の改善はそれらの改善効果が期待されています。そのような状況の中、2013年5月より、学生ボランティア、当社通販チャレンジモニター、農業関係者等を対象に順次行った金芽米の継続摂取による便通改善アンケート調査では、金芽米を1カ月、3カ月、6カ月継続摂取したことで、いずれの期間においても便通の改善が示唆された他、多くの金芽米購入者から「お通じがよくなった」とのお声をいただいていました。今回の試験はそれらを科学的に実証するために行ったものです。

【試験方法】
健常な成人ボランティア15名を対象に、食習慣全般を変えず米飯のみを金芽米(1食あたり米飯160g、1日あたり2食)に変え4週間摂取後、普段の米飯を2週間摂取しました。排便回数などのデータ収集以外に、試験開始前、2、4、6週間後に採便し、腸内細菌検査(ウンログ株式会社)を行いました。

【試験結果】
金芽米を規定食数(1日あたり2食を4週間、56食)の1/2以上摂取、且つ、腸内細菌検査の為の採便、金芽米の摂取と排便の欠損ない記録を8名より得ました。1週間あたりの排便日数は、1週目から4週目まで緩やかに増加しましたが、摂取終了後は1週目に有意に減少しました(4週目と比較でp=0.04)(図1)。腸内細菌検査からは腸内環境を調整すると云われている菌群の割合は、金芽米の摂取開始0、2、4週目、摂取終了2週目と増減しました。

【結果】
普段の米飯を金芽米に変更することにより便通の改善する効果が成人においても確認されました。一方、便通との関係が指摘されている腸内細菌群については変化が認められませんでした。
以上の結果から、無作為に選んだ15名の被験者のうち、金芽米を1日1食以上、1か月間継続して摂取することで、腸内細菌叢への影響を「介さず」に便通を改善したことが明らかになりました。今回得られた知見により、腸内細菌叢の改善とは独立した便通改善の手法が期待されます。