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玄米特有の「未知の成分」を発見!
~本来の価値を「見える化」、コメの価値向上を目指す~

コメは日本人の主食として身近な食べ物であります。同時に、世界的にも広く食され、積極的に研究も進んでおります。しかしながら、近年では白米は肥満、糖尿病になるなど嫌厭されるようなイメージが浸透しており、実際にそうである可能性も大であります。一方で玄米食は健康に良いとの研究報告も多々あり、一般に認知されております。しかしながら、実際に玄米食をしても食べ難く、消化不良や炊飯に苦労したりして長続きしなかったとよく聞く事でもあります。それらは玄米がいくら栄養豊富といっても、肝心の、消化吸収がよくなければ何の効果も得られず、却って内臓をいためたりする結果となるからであります。

そのような状況の中、弊社では、昭和30年ごろに現れた新型精米機の進化(実際には悪化)以来、糠が完全に除去された過精白の白米食が浸透したことにより人々が病み、我が国の医療費が急増・膨張したのではないかとの仮説を立て、その真偽を解明するために、玄米の表面から糠を少しずつ均等に除去し、薄皮一枚の玄米の皮と実の間の「亜糊粉層(あこふんそう)」を残す『均圧精米法』という精米技術を発明しました。その技術により、前述の「白米」でも「玄米」でもなく、勿論これまでの『分搗き米』でもなく、白米以上の“おいしさ”と、“栄養”とを両立した、『金芽米(きんめまい)』を生み出し、それを実際に3企業の多くの職員たちが常食する試験によって、3企業共に医療費が約40%も低減したことを実証・報告によって、コメが持っている本来の価値を「見える化」しました(※1)。この実証試験によって気づいたことは、これまでに多くの副食によるバランスの良い食生活や、それに総合栄養剤まで補給していても、その様な明らかな健康効果が実現されなかった事から、金芽米には、日本食品標準成分表2020年版(八訂)に収載されている炭水化物、たんぱく質、脂質、脂肪酸、アミノ酸、有機酸、ミネラル、ビタミン類など、約160種類の成分以外に、未だ一般に知られていない『特別な未知の成分』が存在し、それによって摂取者の自然免疫力を高め、病を防いだり、治癒しているとの確信を持つ様になりました。以来、その『特別な未知の成分』の解明を進めると共に、それと併せて炊飯しやすく、白米感覚で食べられ、消化の良い『金芽ロウカット玄米』や、金芽米の亜糊粉層の部分などを取り出した『金芽米エキス』によって、「便秘」「風邪をひきやすい」「だるい」「肌の不調」の改善効果などの実証・報告もしてまいりました(※2)。更に症例は少ないものの、糖尿病や癌(胃癌)が治癒したとの実例もあります。

そして今回、国立遺伝学研究所 櫻井望 特任准教授、東京農業大学 雜賀慶二 客員教授、東洋ライス株式会社の研究グループは、国立遺伝学研究所の『特殊なメタボローム解析技術(独自に構築したデータベースにより試料に特異的に存在する未知成分を探索できる技術)(※3)』と、東洋ライス株式会社が独自開発した『均圧精米法』を用いて、玄米の糠層(外側)から胚乳層(内側)に至るまでの玄米粒の各所の画分について分析を行いました。その結果、これまで玄米には、百数十の成分が含有することが知られていましたが、それを遥かに上回る多くの成分が含有されており、それが白米に精製されることにより大半が損失することが分かりました。加えて、それらの中で、コメにしか含有されていない玄米特有の未知の成分候補を現時点で5候補(以下、KS-1~5と云う)発見いたしました。それ以外にも、もっぱら稲の根、葉、籾殻に含まれることがいくらか知られているモミラクトンの玄米粒の中での分布状態を確認しました。なお、モミラクトンとは抗菌活性物質で、抗糖尿病、抗腫瘍、抗肌老化などの健康効果が示唆されている成分です。

いずれにしろ、今回の研究によって、コメにしか存在しない未知の成分の存在と、更には一般に知られていない玄米粒に於ける種々の成分の分布状態を明らかにしたのはこれが初めてであります。

弊社としましては、一部の文献によると、モミラクトンは、白米になると大半が消失し、更に炊飯すると一層減衰すると記載されておりますが、今回の研究により、ロウカット玄米は勿論のこと、白米状の金芽米や、炊飯同様の熱加工をしている『金芽米エキス』にも、モミラクトンが相当量含有している事を確認出来たことと、今後、前述のKS-1~5の各成分の機能を解明していくことで、コメは単なる食品ではなく、人類に計り知れない健康効果をもたらす『薬食同源』・『医食同源』の食品として脚光を浴びる事が予想されます。なお、現在、食品の健康効果は、西洋医学によって、とかく含有されている個々の成分によるエビデンスが論議され、前述のKS-1~5の成分についても、今後それぞれの機能が健康効果に如何に影響するかが評価されることになると予想しますが、我々は、実際はその様な単純なものではなく、多くの成分がそれぞれ有機的に関わって健康効果を発揮していると考えています。例えば『金芽米エキス』にしても、玄米粒の中から、亜糊粉層、胚盤、破砕細胞群に組織的に結合している多くの成分がぎっしりと詰まった箇所を、そのまま取り出しているのであって、そこには前述のKS-1~5の成分や少なくとも数千個以上の成分群が存在し、それらが有機的に関わって摂取者の健康に寄与しているものと考えています。そこで、弊社としましては、少なくともこれまでに金芽米や金芽米エキスの摂取による健康効果が既に実証されていることからすると、今後それが未知であったKS-1~5の成分との関係も明らかになっていくものと考えていることから、今後KS-1~5の未知の成分と有機的に繋がる多くの成分を一纏めにして『オリザニュートリエントサイカ(ONS)』と呼称する所存であります。

ちなみに、この『ONS』の意味するところは、長年に亘りコメに関する数々の技術開発と研究によって、天がもたらしてくれたコメが本来持っている様々な生薬機能を活かし、人々を健康に寄与しようと心血を注いだ開発者の理念とする『環境に良く、良食味で消化吸収性の良い食物にて摂取者を健康体に導き、我が国の医療費削減を目指す』との想い『サイカイズム』を示すものであります。

従って、今後は既に全国の金芽米等の製造販売業者にて結成されている『コンソーシアム』にて、近く金芽米やロウカット玄米などに統一した『ONS』との表示をし、消費者が識別し選択していただき、特に次代を担う妊婦、子供、それに常に元気溌剌でいて欲しい自衛隊の皆様に摂取して頂くよう努めて参る方針であります。

(※1) Saika K, Yonei Y. 加工玄米(亜糊粉層残存米、ロウ層除去玄米)の摂取による医療費削減. Glycative Stress Res. 2021; 8: 115-122.(ちなみにこの論文は農水省のホームページに掲載されています)。
(※2) Ogura M, Yagi M, Nishiyama N, Hazama M, Saika K, Yonei Y. 玄米から取り出された亜糊紛層、胚芽の胚盤及び破砕細胞群から成る熟成されたエキス摂取による健康への影響についての研究. Glycative Stress Res. 2022; 9 (1): 15-23
(※3)メタボローム解析とは、食品や植物などの試料に含まれる数千の成分を網羅的に検出する技術です。検出された成分には、直ちにその正体が特定できない未知成分も多数含まれることが知られていましたが、これまでその未知成分に価値を見出す手法がなく、結果として、既知の、標的を定めた成分(群)の解析のみが可能でした。国立遺伝学研究所の櫻井特任准教授が構築したデータベースでは、単一の手法で測定されたメタボロームデータを、食品、植物、動物、環境由来試料を含む1000種類近くの多様な試料で比較できることで、特定の試料に特異的に存在する未知成分を探索し、機能解析につなげることが可能となりました。