東洋ライス株式会社 第64期(2025年3月期)決算報告
“令和のコメ騒動”の影響を受けたコメ販売部門が利益率ダウン、 営業外収益等により純利益はアップ
東洋ライス株式会社(銀座本社:東京都中央区、代表取締役社長:雜賀慶二)の第64期(2024年4月~2025年3月)における決算及び事業内容について、去る6月23日に行われた定時株主総会において承認されましたので、下記の通りご報告いたします。
第64期における当社のコメ事業を取り巻く経済環境は、「令和のコメ騒動」と称される米の異常な高騰および原材料の入手困難により、一般的に同業他社が極めて好況の中、当社は不慣れなコメ事業は逆に極めて厳しい期となりました。
当社の【コメ販売部門】につきましては、相次ぐ食品価格の値上げによる物価高騰の影響が大きく、更に「令和のコメ騒動」と称される米穀企業として経験したことのない原料玄米価格の暴騰ともいえる急激な変化に販売価格の転嫁が追い付かず、上期は利益率が著しく低下いたしました。その後、下期にかけて徐々に価格転嫁も進んだものの、金芽米、金芽ロウカット玄米ともに、販売数量は大幅に減少となりました。その結果、当社の【コメ販売部門】の売上げは、前年比2,288百万円増加の9,762百万円(前年比130%)となったものの、売上額に対する利益率は前年比96%の低下となりました。
一方、当社の【精米機器関連部門】につきましては、上期は、半導体をはじめとする機械部品不足等の影響を受け、減産を余儀なくされましたが、通期として、大潟村カントリーエレベーター公社様の新工場竣工など、明るい材料もあり、厳しい環境にあったものの、機械部門売上げは、3,723百万円と、ほぼ前年同額となりました。
以上のことから、第64期の総売上高は13,711百万円(前年比118%)となりましたが、営業利益については、原材料の高騰等による利益率の低下等の影響もあり1,505百万円(前年比95%)と厳しい結果となりましたが、精米機器メーカーとしての強みを活かし精米工場における歩留まり向上対策を講じたほか、営業外収益の大幅向上等もあり、全社としては本業である営業利益は前年割れしたものの、経常利益は2,804百万円(前年比116%)、税引前純利益は2,810百万円(前年比117%)、純利益は1,914百万円(前年比121%)となりました。
これらの結果、今期も国税及び地方税に855百万円を納付予定となり、更に本年も創立60周年記念事業として用意されている100億円基金のうち、寄附金など総額約1億4000万円の社会奉仕活動を行うことができました。今後も当社は、事業においては「社会へ高度の貢献」を果たすと共に、当分の間は寄付などの社会奉仕活動も継続してまいる所存であります。