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目で見て味わって覚える食育!学生による「学食運営」にかける、中村学園の想い

学生さんが運営する学内食堂
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福岡市にある中村学園大学短期大学部 食物栄養学科では、「食」への揺るぎない自信と実践力を備えた栄養士を養成されています。

今回は、同大学で教鞭を執りながら、日々、食に関する研究に取り組む管理栄養士・医学博士 森脇千夏教授にお話をお伺いしました。

バラエティに富んだ食の実践教育、「毎日が学園祭プロジェクト」

中村学園大学短期大学部 食物栄養学科の教育目標について、教えてください。

大きく分けて2つの目標を立てています。一つ目は、ライフステージに応じた栄養・調理の知識と技術を修得し、少子高齢社会において一人ひとりのライフスタイルに即した健康管理に貢献できる栄養士を育てること、二つ目は、幅広い教養と倫理観を修得することにより、社会人としての良識と判断力を持った積極的で心温かい人材を養成する、という内容です。

簡単に言うと、様々な対象者やシーンに応じた調理の知識、技術があって、人の役にたつ栄養士を育てることが教育目標です。2年間という短い在学期間の中で、“実践的な本当の力”をつけてもらいたいと思っています。

具体的には、どんなことをされているんですか?

今春から、1年生を対象に「毎日が学園祭プロジェクト」というプログラムをスタートしました。本当に毎日が学園祭のような感じなんですよ(笑)。今日も朝から、学生と一緒に学内の畑仕事をやってました。調理実習で出た生ごみを全部堆肥化して、畑に蒔いて野菜を育てるという、食の循環型学習をやっています。

あとは、いろんな企業様とやり取りをしたり、試食アンケートをしています。コロナ禍で学外実習に制限がかかったことで、いろんな教育の展開が考えられるようになりました。

食の循環型学習 作業風景
食の循環型学習 作業風景

学生さんが学食を運営されていると聞き、驚きました。

実は私もこの大学の卒業生なのですが、以前は、学生自身が学食を毎日提供していたんですね。大学時代に何をやっていたかと思い出すと、学食提供しか覚えていないほど印象深い経験だったこともあり、今の学生も将来に活かせられると思って始めました。

1年目の今、右往左往しながらやってます。後期には、より実践的な取り組みとして、学生たちに献立作りから、調理、提供までを全て行ってもらう予定にしています。

最初に先生と一緒に土台を作って、次に実践の場で自分たちで作っていくプロセスが、社会で本当に必要な人材を育てているなぁととても感じました。そういうことも意識されているのでしょうか。

昨今は、一方通行の教育が探究教育に変わり、大学でもいろんな外部と関わっていかないと、社会に出た時に必要な仕事に対してのイメージがわかないと思うんです。なので、食堂運営、工場見学、イベント参加、弁当開発などの仕掛けをあちこちに作って、どうにか引っ張っていこうと思っています。

また、調理技術が高いのは当たり前で、挨拶がちゃんとできたり、気遣いができる人材を育てなければいけないと思っています。外に出て行かないと、そういう子が育たないんです。「うちの大学に入ってきたら、以前はどうであろうと、ここから仕切り直しで頑張りなさい」と言っています。

学内食堂で実習を行う学生さん
学内食堂で実習を行う学生さん

喉が喜ぶ味!中村学園の金芽米と一汁三菜の献立

お話を伺っていると、私の子どもも中村学園に通わせたくなってきました!学内食堂を行おうと思ったきっかけは、他にもあるんですか?

糖尿病や脳の研究を行ったり、琉球大学の益崎先生による「玄米に含まれるγオリザノールを摂取することで、食の指向性が脂質依存から和食よりに変わってくる」という研究を聞いて、お米をどういう米(精白米、玄米、雑穀、金芽米)にするかの重要性に繋がってきました。

また、NJPPP(栄養改善事業推進プラットフォーム)でミャンマープロジェクトに参加し、若い女性達が工場で提供される給食を生活の糧に働きに来るのを見て、給食がどんなに人々の栄養改善に寄与しているか知ったこともきっかけです。

研究やミャンマーに行かれた経験から、お米の質や給食の重要性に気がつかれたんですね。具体的にはそこからどんな取り組みをされたんですか?

保育園の栄養指導員をしていて、「三つ子の魂百まで」という言葉にある通り、幼児期、特に5才迄の栄養が一番大事だし、子どもの嗜好を将来につながる和食中心に変えていきたいと思いました。

そこで、いきなり玄米というのはなかなか難しいので、保育園の給食や学内食堂で金芽米を提供し始めました。子どもたちからは、まず食べたら甘くて、「喉が喜んでいる」と大喜びでたくさん食べて、残食が減りました。お米がおいしいってやっぱりいいですよね。

金芽米を導入してくださり、喜んでいただけて、こちらもうれしいです。公衆栄養や栄養改善と幅広いご経験が、給食や食堂に活かされているんですね。

かいつまめば、これまでの研究生活での思いが全て活きています。日本人の子どもや学生たちも、すごく食が乏しくて、食べるべきものを食べられていないと思います。なので、保育園の給食では、野菜100g以上、塩分2g未満、学内食堂では、野菜200g以上、塩分2.5g未満をコンセプトに、ごはんは金芽米で一汁三菜で献立をたてています。

ごはんがおいしくないと味が濃いおかずでごまかさないと食べられないけど、金芽米にすることで、減塩や素材を味わう助けになっています。何がバランスがいい食事なのか、目で見て味わって食の思い出になれば、それが家庭の理想の食になると思うんですよ。

金芽米と一汁三菜の献立
金芽米と一汁三菜の献立
子どもランチ
子どもランチ

継続は力なり、給食や学食から広める食育

中村学園が実践する食育について、とてもよく分かりました。ありがとうございます。最後になりますが、森脇教授ご自身や中村学園の今後の展望について教えてください。

継続は力なりなので、保育園の給食や学内食堂を長く続けていくことです。私が退職しても長く続けばいいなぁと思っています。また発展して、実施回数を増やしたり、学園全ての食堂に金芽米や一汁三菜の献立を広めていきたいです。

中村学園の給食や学食をたくさんの人に味わってもらって、それが当たり前の食事になっていくには、やっぱり目立たなくても継続が大事だろうと思うんです。なので、地道に園児や学生の食を支え、本物の味を伝えていきたいです。

中村学園大学短期大学部 食物栄養学科 森脇教授
中村学園大学短期大学部 食物栄養学科 森脇教授

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